part2の続きです。
part.2↓
チャートから大口の意図を分析する『part2.今後の展開を読む』
FXを主とする投機商品におけるチャート分析についてのお話です。
テーマは、チャートの形から大口の意図を読み解くこと。
※以下はあくまでチャートの形や動きから大口の意図を『個人的に予想』しようという話に過ぎません。絶対に正しい事実は実際売買をしている大口に直接聞かなければ分かりません。その前提で予想をしていこうという話です。
今回は『part3.実際のチャート分析例』です。
前回までは大口の意図は大きく3つに分けられ、それぞれにサイクルがあり、現在の流れから次の展開を予想できる可能性があることを説明しました。
今回は実際のチャートの形から大口の意図と展開を読み取る具体例を見てみましょう。
以下のチャートは2019年8月26日のドル円の15分足です。

前日25日に大幅に下落した後、さらに26日の早朝に大きく下落、その後は大きく買い上られています。
目立つ大きな買い上げが3つあります。

この中で注目すべきは②です。
①は底値から押し目を作らずじわじわ上げてからの高騰、Sのロスカットを巻き込んだような上げです。
③も15時台の上げから似たような感じでロスカットを巻き込んでいるかのような動きです。
そして、①も③も直後に売られて大きく戻しています。
これは短期的な投機仕掛けによる上げと決済による下げと見てとることができます。
対して②だけがおかしな動きです。
①で上げた後わずか3時間後に①の上げと同じレートを通過する高騰。
これが仮に仕掛けであったとするとどうなるでしょうか。
①の上げで①で通過したレートにあった短期的なショートはおおかた刈り取られ、その後3時間の戻しでショートで入った人もいるでしょうが、その人達全員のロスカットを確実に巻き込んで大幅に動かそう(仕掛けよう)と思ったら、①の最高値より上にぶちぬかないと対した巻き込みにはなりません。(①の上げの最高値付近でショートして含み益の人もいるからです)
まさに③のような上げでなくては仕掛けにならない(仕掛けた人間が儲からない)と思われます。
逆に①が全戻しした位置の105.250付近はサポートのようになっているので、下に動かせば一定のロングを巻き込めるでしょう。
しかし、結果として上に大きく上がった。
そして、その直後の戻しは上げ幅の1/2にも満たない多少の戻し。
仕掛けにしては非効率的(仕掛けた人間が儲からない)で、かつその直後に決済が入らない・・・
この動きから②で買い上げた人の意図を予想すると、
長期ポジションの決済なのではないか
と予想できます。
ここで、少し時間軸を引いて日足を見てみましょう。
以下は2018年末~2019年8月のドル円の日足チャートです。

先ほど上記でお見せした15分足チャートはこの画像の緑〇部分です。
そして、8月26日の最安値がどういう位置なのかというと・・・

④⇒⑤と長期的に大きく下げてきている位置です。
そして、2019年年初の暴落の最安値を少し割ったという位置。
そして、実際②の決済が入ったのは、その最安値を割って戻しがあり、年初最安値より高い位置に戻った位置です。
つまりはこう予想できます。
年初最安値を割っても売り投げる大衆や短期的な売り仕掛けを目論む大口よりも、買いに向かう大口が多かった(じわ上げからの①の買い仕掛け)ので、一端の底値と見た④ないし⑤の下げで長期的な売りポジションを入れていた大口が一気に決済した
これで、仕掛けにしては大して儲からない位置で大きな買いを入れたこと、直後に決済売りが入らなかったこと、それぞれ自然に説明が付きます。
以上のように値動きから大口の意図をある程度合理的に予想することができます。
あくまで予想なので100%正しいとは限りませんが、論理的に筋が通っていればその予想が一定の優位性を生むことがあります。
次回では、こういった予想を実際のトレードでどう活用するかについて述べます。
次回に続きます。
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